WEEKENDERS COFFEE All Right(ウィークエンダーズコーヒー オールライト・神楽坂):本屋のカフェで、お気に入りの一冊と美味しいコーヒーを
古典芸能や花柳界の文化、老舗の伝統に江戸の面影を感じる古き良き街並みが今も残る神楽坂。夏目漱石や森鴎外、尾崎紅葉など多くの文豪から愛された街としても有名です。そんな歴史情緒に溢れる場所で、半生記に渡り営業をしてきた一軒の本屋さんがありました。名を「文鳥堂書店」といい2014年4月に惜しまれつつも閉店してしまったのですが、そこから8ヶ月ほど経ち、跡地に新しく本屋さんがオープンします。書籍の校正・校閲会社である鷗来堂の書店「かもめブックス」です。
かもめブックスの店主であり鷗来堂の代表である栁下さんは、この会社を始めるまでは世界中を旅していたとのこと。その影響もあってか、お店には「旅」をテーマにした品揃えが多く、他にも特定の人にフォーカスを当てた棚作りや曜日ごとにテーマが変わる棚、雑誌の品揃えも多岐に渡り、行く度に「今日はどんな本と出会えるのだろう」と楽しい気持ちになります。
さて、本が好きなので随分と前置きが長くなってしまいましたが、そんな魅力溢れる本屋さんの中にあるコーヒー屋さんが、今日紹介する「WEEKENDERS COFFEE All Right」です。
WEEKENDERS COFFEE All Rightでは、京都で自家焙煎コーヒー屋を営まれている「WEEKENDERS COFFEE」のコーヒーを飲むことができます。実はかもめブックスがオープンする数週間ほど前、偶然にも私は京都を旅行しており、WEEKENDERS COFFEEでコーヒーを飲んでいました。
コーヒー屋巡りの旅として訪れた京都でしたが、事前にチェックしていた店の中でもこちらの豆を扱う所は多く、一足先に京都に訪れた友人も「本当に美味しいから是非行くべき!」とのこと。そして初めて飲んだ時は、あまりの美味しさにシャイで有名(?)なオーナーの方に「めちゃめちゃ美味しいです!」と一方的に話しかけて若干ご迷惑をおかけした(かも…笑)始末。そんな経緯もあり、まさか東京でこんな形でWEEKENDERSのコーヒーが飲めるとは嬉しい驚きでした。
コーヒーは、エスプレッソのメニューに加え、シングルオリジンのハンドドリップや水出しコーヒー、コーヒーチェリーの果肉を乾燥させてお茶にしたカスカラティーなどを用意。プリンやトースト、スコーンなどの焼き菓子メニューも豊富です。
写真は水出しコーヒーとスコーン。豆はベリーやプルーンなどの黒系果実の味わいが感じられるエチオピアを選び、スコーンのジャムもそれに合わせてベリーをチョイス。このように、飲みたい豆の特徴に合わせた味のお菓子を頼むと美味しさが倍増しますよ。
このお店のすごいところは、東京と京都では水質が違う(東京の方が硬水である)ことから、焙煎度合いも東京の水に合うように変えているところ。良いものを良い状態で提供したいという、品質に対するこだわりと心づかいを感じます。そういえば、かもめブックスを運営する鷗来堂は校正・校閲の会社であると書きましたが、校正・校閲とは、文章や文字の誤りを正し、記載されていることが事実かどうか内容にまで踏み込んで確認すること。文章作りにおける縁の下の力持ちのような仕事です。普段私達が本や雑誌を読む時、スムーズに文字を追い内容を読み込むことができるのは、こういった方々の仕事があってこそ。本もコーヒーも、手に取る私達が気づかないようなところに、職人達の確かな仕事が沢山散りばめられているのでしょう。
向かいには新潮社が所有する倉庫をリノベーションしたキュレーションストアla kaguもあり、ショッピングをした後にゆっくりとコーヒーを飲むも良し、お気に入りの一冊を片手に休日をゆっくり過ごしたり、仕事帰りの疲れを癒やすための一杯を求めに行くも良いでしょう。生活のあらゆるシーンに自然に溶け込める店として、長くこの場所にあって欲しいと思います。
SHOP INFORMATION
WEEKENDERS COFFEE All Right(ウィークエンダーズコーヒー オールライト)
〒162-0805 東京都新宿区矢来町123 第一矢来ビル1階 / OPEN:10:30-22:00(月~土),11:00-20:00(日)
TEL:03-5228-5490
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