川端康成や池波正太郎も愛した喫茶店「アンヂェラス」で梅ダッチコーヒーを飲んできた
東京で人気の観光名所と言えば浅草。雷門や浅草寺、仲見世通りを始め、最近はスカイツリーもできてますます賑わいを見せています。美味しいお店も沢山あり、見るべき所盛りだくさんなスポットですが、もう一軒、浅草に行くなら是非訪れて欲しいお店を紹介したいと思います。
浅草駅から雷門を通りすぎて歩くこと5分弱。浅草一丁目の交差点を右に曲がり、オレンジ通りを少し進むと、右手に歴史を感じさせるモダンな作りの建物が見えてきます。昭和21年創業、かの川端康成や池波正太郎も愛し通った老舗の喫茶店「アンヂェラス」です。
アンヂェラスという店名は、クリスチャンであった創業者の奥様が名づけたもので「聖なる鐘の音」という意味。店内は、教会や山小屋を思わせるような温かみのある空間で、白とダークウッドを基調とした内装と間接照明が落ち着いた雰囲気を生み出しています。
丸みを帯びた天井が可愛らしいです。浅草らしく、着物姿のご婦人が優雅に談笑していました。
窓側の、横並びで座る2人席に座ってみました。昔通っていたお習字やそろばん教室を思い出して、なんだか懐かしい気持ちになりました。梅ダッチコーヒーと、店名にもなっているアンヂェラスというロールケーキを頼んでみました。
梅ダッチコーヒーです。小説家の池波正太郎氏が紹介して一躍有名になった人気メニューです。「ダッチコーヒー」とは水出しコーヒーのことで、お湯の代わりに水でゆっくりと抽出することで、コクがあり、柔らかですっきりとした口当たりに仕上がります。
まずは水出しコーヒーの味を楽しんで、半分くらいになったところで自家製の梅酒を入れます。キリッと冷えたコーヒーの苦味と、梅酒の果実味が絶妙にマッチして、ついお酒であることを忘れグイグイと飲み進めてしまいます。
続いてホワイトチョコのアンヂェラス。ブッシュ・ド・ノエルをベースに考案されたケーキで、表面をチョコレートでコーティングしたスポンジケーキの中に、バタークリームが入っています。
ほろほろとしたスポンジケーキと、バタークリームの素朴な甘さが懐かしい気分にさせます。
もう一つ気になっていたブルーマウンテンを注文しました。上がドリッパーになった専用のカップに入って出てきます。コーヒーの香りが逃げないように、1杯づつじっくりと自分の席でコーヒーを落とします。
蓋を開けるとこんな感じ。ドリッパーには和紙を強化して作った濾過ペーパーが敷かれています。
3~4分ほど待ち、コーヒーが落ちたらいただきます。深みのある上品な味です。
注文したものはどれも美味しく、お店の雰囲気も思わず長居したくなるような居心地の良いものでした。店員さんの応対も良く、文豪じゃなくとも愛し通いたくなる店というのは頷けます。近々また再訪しようと思います。
SHOP INFORMATION
アンヂェラス
〒111-0032 東京都台東区浅草1-17-6 / OPEN:10:00-19:00(月休)
TEL:03-3841-2208